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生活記録-アナザーワールドLA蜀家

張苞の思春期(3)

馬超「・・・オハヨー張飛、何?お前、寝てなかったの?何かあったのか?」
朝になって起きてきた馬超は張飛が昨日の服のまま(と言ってもいつも同じ服ですが・・)リビングに居たので
事情を聞いてきました。
あれからメガネ着用状態がすっかりデフォルトになったマーさん、デカイ黒縁メガネは野暮ったかったので昨日、新しいメガネを誂えて来たようです。(微笑)
Diabolic家ロンとも被ってたしね・・・

張飛「実はさ・・・・  張苞のことなんだよ、あいつ昨夜家を抜け出して他所の家にイタズラしてたって、夜中に警官に連れて来られたんだ。それで俺もう、腹は立つし情けないしでもう、どうしたらいいのか分からなくて」

馬超「えぇ?とうとうそんなことに・・・・?  ・・・やっぱ、話が分かる年齢になった時にちゃんと、関羽さんの事話してやっておくべきだったんだな・・・俺、今まで心の何処かで、俺が本当の父親じゃないって事を張苞が一生気付かなければ良いって、願ってた気がする」



外出禁止で学校にも行けないのでパジャマに着替えてブラブラしていた張苞を裏庭で見つけ、馬超は思い切って話を切り出します

馬超「な・・・・ 張苞。嫌かも知れないが話は聞いてくれないか・・・・  ・・・この際だから、ちゃんと話すよ、お前のお父さんの事・・・ 決して、俺と張飛はお前のお父さんを捨てて結婚した訳じゃあ、なくて・・・お前がやってくる前にお前のお父さんは・・・関羽さんは・・・心臓病で、亡くなったんだ。それで、張飛はその事をどんなにも悲しんで、苦しんで・・・・まだ赤ん坊だったお前を抱いて、冷たい海に飛び込もうとした事さえ、あったんだよ」
初めて明かされる、過去の話。
真剣な表情で語られる内容は余りに深刻で、決してそれが自分を欺くものではないと悟った張苞は真面目に耳を傾けます

馬超「・・・・張飛はあの頃はものすごく思い詰めてて、一人でお前を育てる事にもすごく不安を持ってて・・・・・・・・彼にとって関羽さんは本当に、全てと言えるほどの存在だった。とてもじゃないけど俺と浮気するような、そんな脆い関係ではなかった。でも・・・・・・・・関羽さんはもう、この世に居ない。それは二度と、覆らない事実なんだ。
だから、到底力不足だとは思ったけど、俺がお前の父さんになると、いや・・ならせて欲しいって・・・プロポーズしたんだよ・・・張飛のことを、支えたかった。お前に、父親の居ない寂しさを、味わわせたくはなかった。それが正直な俺の、気持ちだ。それ以上も、それ以下も一切、ない。もっと早く、きちんと話しておくべきだった、済まなかった」

またも字ばっかり・・・


張苞「・・・・・それは、本当に、本当の・・・話?」
あの嫌な相手の勝ち誇ったような表情に煽られて、やり場のない気持ちに支配され反抗したものの、でも張苞の中には馬超が酷い人間だとはどうしても疑い切れない気持ちが残っていた事も事実。
だからこそ、昨夜彼の家へ行って腹いせにイタズラをしていたのです。
「ああ・・・・全部本当の事だ。俺は、お前の父さんになれて本当に・・・・幸せだと思ってる。関羽さんがこの世に遺してくれた宝物だ」
どんなにも優しい、父の言葉。実父は一目会うことすら叶わなかった存在であり、馬超こそが赤ん坊の時から今まで自分を育ててくれた「父親」なのだから例え継父だろうとそれを気にする事はないのだと、気持ちの蟠りが急に解けました。

張苞「俺・・・・・言われたんだ、二年生の嫌な奴に!父さんが、本当の父さんじゃないからって、俺の事を"貰い子"だとか、浮気の結婚だとか・・・・・ 金持ちだからって、威張って・・・・  だから、俺・・・凄く・・・・混乱して・・・・
父さんは俺のこと騙してるんじゃないかって思って・・・・・それで・・・・・」

この際、素直に出来事を打ち明けるべきだと、そう思った張苞は全てを一気に捲し立てます

馬超「え・・・っ?   それは、本当か・・・?そうだったのか・・・・   そんな事、言うなんて、一体何処の、誰だ・・・・・・?」
この前急にキレて暴言を吐いた事の事情が分かり衝動的な行為だったのだと安堵すると共に、張苞が人から嫌がらせを受けたと知り、馬超は憤りを禁じ得ません


張苞「・・・・・・・父さん・・・・・・   本当に、御免なさい・・・・・・    酷い事、言ったけど許して、くれる・・・?」
思い返しても、馬超は今まで一度も自分を疎むような態度を見せた事はなかったのに、何故暴言を吐く前に事実を確かめようとしなかったのかと、後悔の気持ちでいっぱいの張苞は素直に謝罪します
馬超「ああ・・・・勿論だよ、お前は貶されて傷ついて、戸惑ってたんだよな。・・・相手の事は、学校に相談するからな・・・・・・後でちゃんと媽媽にも謝っとけよ」

正直なとこ、張苞が張飛さんをなんて呼ぶかは決めかねてるので保留です;
実際は紛れもなく父上なんだけどうち設定じゃ弟達にはマーマだしなー・・・



馬超「・・・って事だったらしいんだよ、だから張飛、今回は苞を許してやってくれよな。多感な年頃だし、真実も知らずにいたから混乱してただけなんだからさ。・・・後でちゃんとお前にも謝るように言っといた」
無事、和解できた後は息子の態度に激怒していた張飛にも事情を話して理解を求める馬超

張飛「ん・・・・まあ・・・・お前がそれでいいなら・・・・・・それにしても酷いのがいるもんだなァ・・・・  
わかったよ、でも正直、これからずっと反抗されるのかと思ってたから、収まってよかったよ」
実際が所、張飛さんもひと安堵。

  



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